町内会・自治会は加入必須?メリットは?
町内会・自治会とはどんな組織?
人は、周りの人と関わり合って暮らしています。それぞれの人が役割を持つことによって助け合い、さまざまな問題に対処してるのです。町内会や自治会も、こうした目的で組織されており、同じ地域に住む住民が、それぞれに役割や活動を担っています。
どのような活動をしているか、どのような運営ルールがあるかは、各町内会・自治会によって異なりますが、どちらも任意団体です。つまり、結成そのものが任意ですから、対象地域に居住しているとしても加入義務はなく、組織に加わるかどうかは、居住者の選択次第となります。加入した後で退会することも自由です。ただし、組織ごとに独自の規定がある場合は、そのルールに沿うことが求められることがあります。その場合でも、加入の可否判断はあくまでも居住者自身にあることは変わらないので、そのことは覚えておきましょう。
町内会・自治会の主な活動とメリット
町内会の一般的な活動と、加入することによるメリットにはどんなものがあるのでしょうか。
【地域住民同士の交流】
町内会に入っていると回覧板などが回ってきて、地域の情報を知ることができます。また地域の催しの開催告知や参加募集などもあるでしょう。自分がその地域に長く住むつもりで、地元に溶け込みたいと考えていれば、町内会に入ることで近隣の人々と関わりを持つ機会が増えます。
こうした機会を持つことで、住人同士の家庭事情などをある程度知り合うことができ、なにか手助けが必要なときなどは、スムーズに助け合うことができます。家庭の情報を把握されることに抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、家族構成や年齢、持病や車の有無など、あらかじめ知っていれば、いざというときの助けになることも町内会参加のメリットと言えます。
【子供会などの催し】
また町内会の他に子供会がある地域も多いです。子供会は自治会が運営母体となっているケースや、小学校の学区が基準となって保護者が持ち回りで運営しているケースなどがあります。
基本的には、地域の子供たちが楽しめるような行事を開催するのが、活動内容の一つになります。夏休みのラジオ体操の実施も子供会が行う地域が多いでしょう。
会への加入は自治会と同様で任意です。対象は小学生以下の子供がいる世帯というのがほとんどです。会費については、自治会費に含む場合もあり、またイベントへの参加には、別途子供の人数に応じた費用が集金される場合もあるので、確認が必要です。
【防災面での協力・訓練】
町内会では、火災や地震の発生時を想定した避難訓練や、防災のための日頃の備えを情報として共有しておくなど、もしものときのために安心かつ心強いというメリットがあります。防災訓練ではお年寄りや障害者など、特別な助けが必要な住民を周知でき、誰がどう動き何が必要なのかを把握し合えれば、災害時の避難を想定しておくことができます。
また、日常の安全のために道路にガードレールやカーブミラーを設置してほしい、道路の陥没を修復してほしい、崖崩れが心配な箇所を補強してほしいなどといった、公共の設備についての改善要望を、自治会として管轄の行政機関に提起することができます。
【治安面での協力活動】
町内会では例えば夜間の見回り(パトロール)や子供たちの通学路の見守り、清掃活動、外灯の設置要求、注意看板の設置など、地域の治安を良くする活動も行います。安心・安全は、幸せに生活する上で欠かせませんから、こうした活動も重要です。
町内会加入のデメリットと留意点
それでも町内会は、昔よりも加入する人が減っているという実情があります。では、町内会が敬遠される理由には、どのようなものがあるのでしょうか。加入するデメリットについても触れておきます。
【一定時間の拘束と労力の提供】
町内会に入ると町内会費を納めるだけではなく、各種活動・行事への参加も依頼されます。また、ゴミ収集日のゴミ置き場管理・清掃当番などが回ってくることもありますし、夜間巡回をしたりすることもあります。役員職への要望もあるかもしれません。仕事と家庭のことで手がいっぱいで、そのような活動に割く時間や余裕がない、と感じる人は多いようです。
【単身者の加入について】
単身者の場合は、町内会への加入メリットを感じない人が比較的多いかもしれません。特に賃貸居住ならば、そのエリアに長く住むつもりはない可能性が高く、一人で気楽に暮らしたいという思いも想像できます。その場合、参加のメリットよりも、活動そのものをデメリットに感じる人もいるようです。
【未加入世帯のゴミ出し問題】
町内会には、昔ながらの固い考え方をしている人もいます。例えば、自治体(市区町村)には、家庭から廃棄されるゴミを処理する責任があり、従って人々は等しくゴミを回収してもらう権利があります。ところがゴミ収集場所の設置・管理は町内会が行っていることが多いため、未加入者はゴミ出しをしてはいけないというルールが存在する場合があります。中には、加入はせずとも掃除当番を担当する、管理費は支払うなど、弾力的な対応が可能な自治会もあるようなので、このような状況に遭遇したら、確認するといいでしょう。
【住む前に活動内容をチェック】
まずは住む前に不動産会社に付近の町内会の活動を聞いておきましょう。活動内容を知った上で参加を望む人は積極的に加入すれば良いでしょうし、あまり町内会との関わりを持ちたくない人は、未加入の事例の有無とその状況を確認するといいでしょう。加入を回避できそうになく、それをデメリットに感じるのなら、別のエリアで部屋探しを検討するのもありでしょう。
【町内会費が自動的に徴収されている可能性】
一例として、町内会費が賃貸住居の「管理費」や「共益費」に含まれている場合があります。賃貸借契約時に、町内会などの話が出なかったなら、こちらから仲介不動産会社に聞いてみましょう。
また、アパート・マンションなどの賃貸集合住宅では、町内会費を貸主(オーナー)が負担してくれているケースがあります。大抵は、加入・未加入の確認や考えの違いによる揉め事などを避けたいということが理由のようです。
町内会への加入・活動参加は地元との関わりを深め、防災や治安面で組織をして守られるなど、メリットが多くあります。未加入でも、その恩恵を受けていることがあるかもしれません。その地域の活動内容、加入・未加入のメリットとデメリットをよく考えて選択をしていきましょう。
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